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共働き妻が退職や失業で社保から国保に切り替える時に知っていないと損をする世帯収入の仕組みとは?

2018年1月より「扶養内控除」の税制が大きく変わりました。今まで扶養内で派遣やパートなどで働いていた主婦の働き方も大きな変化を見せる年になると思います。

「働き損」という経済的な痛手を負わないために今まで扶養内で働いていた人も、そうでない人も2018年から新しくなる扶養内控除の仕組みを理解し、働く時間を調整することが必要になってくるでしょう。

熱心に働くことは良いことですが、ある収入のラインを越えた場合に妻の税金と社会保険料の負担が大きくなって年収ダウンという悲惨な結果を招かないように妻の最適な労働時間は年間どれくらいが妥当なのかを導き出すには、世帯収入で考える必要があります。

実際、ブログ管理人の私が世帯収入の理解がなかったために退職後、びっくりするような税金の納付請求が来てしまい大変な思いをしました。税制の仕組みに無頓着だった自分の甘さを痛感し、今後の働き方を模索するために収入と税金の関係を調べました。

今回は、その過程で知る必要があった「国民健康保険税」などの仕組みについて触れておきたいと思います。同じような境遇にある方、もしくは今後同じような境遇になってしまう方の参考になればと思います。

突然働けなくなっても税金は待ってはくれない。

結婚後も独身時代と全く同じ条件で仕事をしていたのですが、ある日体調を崩して仕事を辞めることになりました。病気とは言え、自己都合の退職となったため 失業給付金も3カ月待機ですぐには出ません。

それでも「国民年金保険料」や「国民健康保険税」に「住民税」は容赦なく催告されます。

その請求された金額に大変驚かされ、その時初めて「世帯収入」についての理解が足りなかったことに気が付かされました。

世帯収入(せたいしゅうにゅう)とは、世帯の合計年収のことです。税金や社会保険税などを控除する前の金額をさします。私達夫婦のように2人で働いていた場合は2人分の収入の総額が世帯収入となります。

国民健康保険には社会保険のような「扶養家族」という考え方はない。

夫:「え?これなに?」

退職後「国民健康保険税」+「国民年金保険税」+「住民税」と3つの税金の支払い催告が一気に来たのですが、その際に「国民健康保険税」の納付書は私の名前宛ではなく、夫の名前で請求が来たんです。

妻:「え?なんで?国保は私が加入したのに?」

国民健康保険税の納税義務者は世帯主

国民健康保険税は住民税のような「個人課税」ではなく「世帯課税」であるため、納税義務は住民票上の世帯主に課せられます。ご存知でしたか?

うちのケースのように世帯主である夫が勤務先の社保に加入し、自身は国民健康保険に加入していなくても世帯員の妻が国民健康保険に加入した場合、国民健康保険税の納税義務は世帯主の夫になるのです。

だから夫の名前宛で「国民健康保険税」納付書が送られてきたのですね。

このように世帯主本人が国民健康保険に加入していなくても、納付義務が発生する世帯主のことを「擬制世帯主(ぎせい せたいぬし)」というそうです。

国民健康保険料(税)の保険料算出のしくみ

国民健康保険料(税)は、ざっくり言うと ” 世帯ごとの前年度の所得など ” によって決まります。

ここ、ポイントです! 「世帯ごと」

その他、下記枠内にまとめたように色々な項目を組み合わせて各自治体で「この世帯の国民健康保険税はこれくらいだね。」という感じで決められるようです。

健康保険料(税)= 医療費分保険料+後期高齢者支援金+介護分保険料(40歳以上~65歳未満)の合計額と国民健康保険に加入人数や所得金額、固定資産税を元に保険料が決まります。

保険税の総額を、所得割、資産割、均等割、平等割などの項目に割振り、算出した金額を組み合わせて世帯ごとの保険税額が決められる。

今回のように妻の失業に伴い、妻のみが国民健康保険に加入するという場合は、保険に加入する人、妻1人分の保険料が算出され請求されるのですが、その保険料の算出時に考慮される収入は、妻の前年度の収入だけではないのです。

独身時代の感覚で妻が自分のために加入する訳だから、妻の前年収に対して国民健康保険税が決まると思ったら大間違い。

保険料は「前年度所得」and「世帯収入」で決められます。

妻の前年度の収入が多かった場合は、高額な国民健康保険料(税)の請求が来てしまうのは予想がつきますが、例え妻の年収がそれほど高くなくても、同世帯の夫がある程度の年収があるならば、健康保険税は世帯収入を基本として算出されるため思っていたよりも高い金額が請求されてしまうという恐ろしい現実が待っていたりするのです。

共働きの妻が社保から国保へ切り替えた時は、要注意!

国民健康保険税は「世帯課税」であり、納税義務は住民票上の世帯主に課せられると先ほど説明しましたね。そのことが実感できるのは、年末調整や確定申告時かもしれません。

共働きの妻が社会保険に加入していたのを国民健康保険へ切り買えた場合の「社会保険控除」の申請は、妻側ではなくなる?!のです。

「社会保険料控除」は妻ではなく世帯主(夫)側となる。

例え妻が自分の財布から自身が加入した国民健康保険税を支払っても、自治体側では「国民健康保険税(国保)を支払っているのは世帯主」という認識であるため、年間に支払った国民健康保険税は世帯主の所得から「社会保険料控除」として控除(差し引く)ことになります。

妻が自分が加入した「国民健康保険税」を自分で支払っても、自身(妻)の確定申告時の社会保険料控除に使えないのです。

なんなんだ・・・このジレンマ。

よって夫が会社で年末調整していた場合でも、国民健康保険の支払のタイミングによっては「確定申告」でやり直しということも当然出てきます。

国民健康保険税は、普通にフルタイムで働いていればそれなりに金額は大きくなります。なので支払った分、確実に「社会保険料控除」を申請して「税金の過払い」とならないように気をつけましょう!

独身の時と違って、結婚すると税金の計算対象が個人ではなく「世帯」が基準となるということが今回のことで良く理解できました。

国民健康保険税を払わないとどうなるの?

会社を退職するタイミングにもよると思うのですが、税金の支払いが一度に集中してしまった場合、よほど生活に余裕がない限り一括全納ということは難しいです。

払えないから仕方がないと開き直って放置してしまうと「督促状が届く ⇒ 保険証が使えなくなる(半年以上の放置)⇒ 医療費全額負担」という流れになります。

「病院に行かないし、保険証も使わないから」と、それでも放置し続けると財産の差押えや銀行口座が凍結されるという恐ろしい事態を招くことになります。

自己破産しても税金(国民健康保険税など)の支払は免除されない。

自分の戒めのためにも敢えて記載しておきますが、例え自己破産したとしても「税金」等のいわゆる公金に関しては「支払免除はない」そうです。自己破産したら滞納した分はリセットとは行きません。何かあったら自己破産すればいいという安易な考えは捨てた方が身のためです。頭の隅に入れておきましょう。

国民健康保険税の滞納で発生する「延滞金」いつから?その利率は?

国民健康保険税の支払いを滞納してしまうと、滞納期間によって「延滞金」が発生します。健康保険税に限らず住民税も同じくです。

「延滞金」はいつから発生する?

「延滞金」は支払期日の翌日から発生します。

国民健康保険税の納付期日から支払う期間によって延滞金の利率も変わります。この延滞金利率は対象期間(平成29年、平成30年など)や各自治体によっても利率に違いがあります。

「延滞金利率」はどれくらい?

国民健康保険税の延滞金の利率は「① 納付期限から1カ月以内」「② 2か月目以降」で延滞金利率が違ってきます。あくまでも参考値ですが。

① 納期限の翌日から1ヶ月間  年 2.7%(2017年度)
② 2か月目以降から 年 9.0% (※ 2010年までは 年14.6% )

正しい延滞金の利率に関しては、各自治体のHPなどで確認できます。

国民健康保険料(税)が高すぎる。払えないかもどうしたらいい?

先ほども説明したとおり国民健康保険税などの税金は「自己破産」しても免除されず、必ず収めなければならないものです。

しかしながらそれが分かっていても、急な退職や失業、病気などで収入が減ってしまった場合は、払いたくても一度に全額支払うのは正直しんどい。そういう方も多いのではないでしょうか?

特に病気で働けなくなって退職や失業した場合は、生活費だけでなく、治療費もかかり更に支払はきついと感じます。

では、一体どうしたらいいの?ということで、対処方法を次の記事で書きたいと思います。

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